9月の寒蘭管理

 9月は、何かと忙しい季節です。植え替え株分けをするには最適な時期で、8月にでた花芽の生長が確定する大事な時期(花軸が伸びる時期)です。

  当店ではお盆明けから、大量に植え替え作業をしております。今月は株分け・植え替えの最適な時期ですので、皆さんも時間がある時にしてみてください。株分け植え替え方について、詳しく書いたページがありますので、こちらをご覧ください。

株分けした時に古いイモだけを外したときは捨てずに、プラ鉢に深く植えてください。直根(ホルモン)をだし新芽を出すことがあります。ただし、イモがぶにゅぶにゅの時は、ダメかもしれませんが… 

 引き続き害虫駆除にも力をいれなければなりませんが、花芽がある分には注意が必要です。9月中旬以降に、殺虫を行うと花芽に支障が出る場合があります。花芽が伸び、つぼみが見えてきたものに関しては、特に注意してください。

 当店では、9月初旬にスプラサイド※1で殺虫を散布しま す。必ず1週間後に再度、殺虫を散布しなければ効果がありませんのでご注意ください。9月の1日~15日までに害虫が猛威をふるいますので必ずこの時期に2回殺虫しましょう。9月の中旬以降は、殺虫剤の散布は行いません。

※1スプラサイドは、劇物扱いとなりますので当店では取り扱いしておりません。お近くの農協でお求めできますので、ご確認下さい。

 全て、潅水の日を避けて薬剤散布後すぐに潅水を行わない様に気を付けましょう。

 スプラサイド(乳剤)1,000倍で、2回散布(1回の散布で成虫を駆除し、2回目の散布では1回目では駆除しきれなかった卵から、孵化した幼虫を駆除す る為です。)か、オルトラン粒剤を使用。

この時期は、潅水の間隔が短くなります(1日~3日おきに乾燥具合を確かめながら)ので、殺 虫剤は、潅水を行った次の日に散布するしましょう。薬剤を散布する時には、風通しを良くしてしっかりと乾くように気を付けます。乾かない状態のままですと薬害を起す可能 性があります。

※当店では、殺 虫剤としてスプラサイドを使用していますが、この薬品は劇薬ですので散布する際には、十分な注意が必要です。肌の露出を可能な限り避け、マスクなどを直接 吸引しない様にしなければいけません。雨合羽、帽子、ビニール手袋を着用すると良いかもしれません。その他、有効な殺虫剤としてはオルトラン粒剤が有効で す。

 9月上旬までの時期の防虫がとても大事です。

 この時期に花芽が枯れたり、つぼみが曲がってしまうのはハダニ・アザミウマによるものが考えられます。

 引き続き、灌水は夕方に行うようにする。9月中旬までの薬剤散布も同様に

 一日中雨が降る日は夕方でなくてもかまいません。

 注意点は、気温が高く日照がある時に灌水すると鉢が蒸れてしまいスッポ抜け(新芽が蒸れて枯れてす ぽっと抜けてしまうこと)が起こる可能性が上がります。天気の変わりやすいこの時期の灌水は夕方からあげると失敗を防げます。

当店では、潅水を2回行って、ランパワー(活力剤)1回を潅水させます。水→水→ランパワー→水→水→ランパワーの順番で年中を通して行っています。ただ、季節に応じて、その間隔が変化します。

9月は1~3日あけての潅水が基本ですが(当店では、昨年のデータによると9月に入ってからはこの間隔であげていますが蘭をおく環境にもよりますので ご自分の鉢の乾き具合をみて灌水してください。)

当店では、全商品に黒土混合化粧土を使っていますので土の湿り具合がよくわかります。

鉢をよく観察して必要に応じて灌水することが大切です。

9月
蘭の管理 ・花芽の生長が確定する時期。(花軸が伸びる時期)・花芽が枯れたり、つぼみが曲がったり・害虫から防ぐために、殺虫剤を中旬までに2~3回散布する。・株分け・植え替えの最適な時期。(この時に、タチガレンを1000倍を植え替え後に散布。)・この時期に、花芽が枯れたり、つぼみが曲がるのはハダニ・アザミウマによるものが考えられます。
・蘭舎の風通しを良くし、室内温度が上がらないようにする。
日光 ・日光を70~80%遮断する、午後は80%以上遮断する
灌水 1~3日おき
活力剤 毎月2回
(ランパワー)
殺菌 キノンドー100倍
殺虫 9月殺虫
・スプラサイド
1000倍×2回
(2回目の散布は、1回目の1週間後上旬から中旬にかけ殺虫を2度、間一週間で実施。※中旬以降に殺虫を行うと花芽に支障がでる場合がある出の注意が必要。・コテツ2000倍・オルトラン粒剤