6月の寒蘭管理
6月は、夏前の梅雨入りの季節です。
気温が高くなり、日差しも強くなります。梅雨前線の影響が出てくれば、雨が増え採光が難しい日も続きます。
日差しが強いときは、しっかり遮光をしなければいけませんが、雨が続くときは寒冷紗を開放してできるだけ採光しなければいけません。いろいろと調整が必要な時期ですが、新芽・根の成長が著しい時期ですので、灌水・採光・殺菌・殺虫すべてに気を使うように心がけましょう。蘭の様子をしっかり観察してあげることをお勧めします。
雨が続き乾燥してない場合は、表土の乾きを見て灌水をしましょう。蘭舎の環境にもよりますのでご自分の鉢の乾き具合をみて灌水してください。雨が続き、乾きが悪いときは間隔があけた方が良いです。乾かずに灌水をし続けることは、避けた方が良いでしょう。時には、適度な乾燥も必要です。
当店では、全商品に黒土混合化粧土を使っていますので土の湿り具合がよくわかります。鉢をよく観察して必要に応じて灌水することが大切です。使用する表土によっても乾く間隔が異なりますので、注意してください。
平成26年6月の宮崎県の降水量は、月降水量の一位を更新したところもあり、雨の日が多く、日照時間が少なく、新芽の生長もあまり良くありませんでした。雨の日が続くと、陽が足りず、生長の障害となります。この時期に遮光をするときは注意が必要です。空梅雨ならば、晴れ間が多くなりますので遮光をしっかりして、雨が多いときは寒冷紗を開放するなどして、できるだけ日光を取り込むように心がけましょう。
日光が不足がつづくと、袴が傷んだり、葉がびょーんと伸びて倒れやすくなったり、障害が出てきますので、そうならないように臨機応変に対応していきましょう。どうしても日中お仕事で家にいない場合は、お仕事から帰られてから寒冷紗を開け、朝出勤する前に寒冷紗を閉めるようにして朝日を取り込んでみると良いと思います。
この季節は殺菌や害虫駆除にも、力をいれなければなりません。
新芽が土をきり、日に日に大きくなってきているのではないでしょうか。毎日が観察がとても楽しみな季節です。
注意が必要です!!新芽は、とても傷みやすいです。手で触っても、傷がついたり、虫や菌にもとてもやれやすいことをお忘れなく。殺菌・殺虫をしっかり、抜かりなく実施してください。
スプラサイド(乳剤)1,000倍を噴霧器を使用して、新芽を中心に散布します。必ず、初めの散布から一週間後に2回目を散布しなければ効き目がありませ んのでご注意ください。1回目の散布で成虫を駆除し、2回目の散布では1回目では駆除しきれなかった卵から、孵化した幼虫を駆除す る為です。スプラサイドの散布が終わったり、オルトラン粒剤名と鉢に撒き、吸収させ蘭の内側から虫が寄り付かないようにしれあげると効果的です。
殺虫剤・殺菌剤は、潅水を行った次の日に散布するしましょう。殺虫・殺菌を行った次の日に潅水をすぐにしてしまうと、水で洗い流すことになってしまい、その効果が薄れること防ぐためです。薬剤を散布する時には、風通しを良くしてしっかりと乾くように気を付けます。乾いていない状態のままですと薬害を起す可能性があります。雨の日などは、避けて乾きの良い晴れの日の涼しくなってから行うと良いでしょう。
※当店では、殺虫剤としてスプラサイドを使用していますが、この薬品は劇薬ですので散布する際には、十分な注意が必要です。肌の露出を可能な限り避け、マスクなどを直接吸引しない様にしなければいけません。雨合羽、帽子、ビニール手袋を着用すると良いかもしれません。その他、有効な殺虫剤としてはオルトラン粒剤が有効です。
今の時期の防虫がとても大事です。虫に蘭がやられてしまっては跡が残って、キズや傷みになりますので、しっかり行いましょう。虫にやられて、後悔しないようにしっかり予防を行いましょう。
この時期からは、灌水は夕方に行うようにする。薬剤散布も同様に
一日中雨が降る日は夕方でなくてもかまいません。注意点は、気温が高く日照がある時に灌水すると鉢が蒸れてしまいスッポ抜け(新芽が蒸れて枯れてすぽっと抜けてしまうこと)が起こる可能性が上がります。天気の変わりやすいこの時期の灌水は夕方からあげると失敗を防げます。このズボ抜けの原因として考えらることは、傷つきやすい新芽が虫に傷つけられ、暑い日に筒状の新芽に残った水分に菌が繁殖してその部分が傷み抜けることではないかと考えられます。目に見えないところで起こることですので、しっかし対策してきれいに新芽を伸ばしていきましょう。